果てしなく青い、この空の下で…。公式ビジュアルブック (Best perfect guide)

詳細

• タイトル: 果てしなく青い、この空の下で…。公式ビジュアルブック (Best perfect guide) de 柏崎 コタロー
• ISBN: 458416522X
• ファイル名: 果てしなく青い-この空の下で-公式ビジュアルブック-best-perfect-guide.pdf
• 発売日: 2000/10/1
• ページ数: 95ページ ページ
• 出版社: 柏崎 コタロー

私はこのゲームをプレイしたことは無いのですが書店にて平積みされているこの設定資料の絵に引き込まれて半ば衝動的にこの書籍を買ったのを強く覚えていますこの書籍はたかみち先生のキャリアを知るうえでとても貴重ですただの１８禁の設定資料というわけでなく、お蔵入りとなったイラストが数多く記載されているのです全部で９６ページになる本書ですが設定資料に当てられたページ数も３１ページ分とかなりのページ数をラフ、ボツ絵に費やしています「青空」の成り立ちから初期コンセプトから継続的に続く方向転換の連続がありその経緯を「１st STEP」「２nd STEP」「3rd STEP」と三段階に分けてラフなどを絡めて紹介しておりますコンシューマーゲーム、１８禁ゲームの設定資料集は数あれど、そのラフ画を多く閲覧できる書籍はほとんど無いのですが、この書籍のラフの数は絵を描く人間にとってとても興味深く、ラフ画マニアの私にとっても非常に参考になる資料でした興味深いのはたかみち先生の描く鉛筆ラフ画によるキャラクターの描写です各ヒロインの名前が当初とは違い別の名前で記載されていますキャラクターデザインの大幅な改訂は「3rd STEP」まで変更に次ぐ変更でいかに作品創りが難産だったか伺い知れますしかし決定稿のヒロイン「八車文乃」は最初期から名称だけでなくその容姿は特に変更は無かったようです「悠夏」は名称のみカナ表記で同一で容姿はポニーテールだったようです「え？これがボツになったの？」という各ヒロインの立ちポーズや各ヒロインの私服、決定稿寸前の立ち絵までが載っています更に特筆する点で、ゲーム創りが途中で煮詰まってしまって「青空」のプロット/シナリオや原画の発注を任された鷹取兵馬氏がたかみち先生のリフレッシュの名目で発注した文乃と悠夏のイメージイラストです（後にテレカに使用された模様）このイラストに関してはとにかく「美麗」の一言しか言いようがありませんまさにたかみちテイストの真骨頂とも言えます「初期段階で自分が（鷹取氏）がイメージした二人のイメージとぴったり同じだ」「たかみち先生には最初から全体像が見えていたようだ」との興味深いコメントも見られますまた各地でおこなったロケハンもかなり日本全国を巡って撮影されたものであるらしくこのゲームの「色」がどのように形成されたのか知ることも出来ます各ヒロインのそれぞれのシナリオのおさらいとともに、１８禁ゲームらしい「濡れ場」のＣＧも沢山記載されていますページの隅にカラーラフと影指定も記載されており痒いところに手が届く配慮まで徹底しています一つ指摘しておきますと各ヒロインのＣＧは基本ＢＡＤエンディングのものまでしか本書には載せていないようですＧＯＯＤエンドのほうはプレイヤーにじかに体験していただくという編集方針にしたんだろうと思います各ヒロインの攻略ルート、おまけシナリオ攻略に「青空」の主題歌トラックスコアからヒロインの一人松倉明日菜が作中読んでいた「龍の末裔」のショートストーリー、登場人物の戒田宗介による「ヤマノカミ」のレポートなどなど「青空」の世界観を堪能するには十二分の情報がぎっしりと詰まっています本書は私にとっては１８禁ゲームの設定資料集を集めるきっかけとなるものでしたしかし、今でもこの本を越えるような設定資料集には出会えておりませんたかみち先生のファンだけどゲームをやっていないような方にも充分お勧めできますなによりも、清純無垢な田舎少女があんな目やこんな目に会うのを見ることが出来てそしてそれがあのたかみち先生の描いたものであるなら、一人の紳士として見逃す手立てなどどこにもありませんとにかく一度その世界、堪能してみてはいかがでしょうか？